Y字分岐から先
はあね、仕事なんかどねーでもええそ。
こんと見たら吸い込まれるんよ。
手始めにあそこのV字分岐をY字分岐にしてからね、
ちょっとわかりやすくマーキングしちょったよ。
マーカーゲートを通ると、Tポイントたまるけー。
沢があったけどね、
渡れるようにしちょった。はあ腰がめげたいね。
岩の下側、隙間はあけちょったから水は流れるはず。
山の高いところじゃから、そねーにひどー水が出ることはなかろういね。
ダガダガって行けるで。
行く先はだいたい
こねーなじゃったけど、
ちょっと掃除したらこんな感じじゃね。
こんな山奥になんで道があるか不思議じゃったけど、
ちらっと山手を見たら
なるほどいね、ここから石を切り出しよったんじゃ。
どれくらい前なんかわからんけど、
ちゃんと山に人が入りよっちゃったんよね。
麓で聞いたとおりじゃ。地名になる理由がわかった。
歩きよったらずっと沢の音が聞こえるラインなんじゃけど、
谷を覗き込んで
下りてみたらこんな素敵なのがあった。
花崗岩体の山かと思いよったけど、
色といい形といい、これはたぶん変成岩じゃろ。
山の上じゃけど、その昔は海の底じゃって、地に埋まっちょったものが
こうやって浸食を受けて地表に出てくる。
岩の眺めてきた時間を思うと、背中がぞわってしてからいけん。
はあ、ええ。
そんとはどねーでもええ。
石を拾って、
ここに置いちょいた。
こかーね、はあ、どねーしても倒れた木がどかんかったけー、
石を踏んでから飛んでくれーさん。
その先が細いうえに岩が出ちょるし、地面もちょっとゆるいから
がんばって姿勢をコントロールしてくれーさん。
それとね、ここはゆるーく左に曲がりながらでっかい一枚岩の上を通るんじゃけど
岩の上じゃから水が染まんで泥と流れてくるんよ。
ここも石は敷いたけど、確実にどべってなるけー、
どろんこ覚悟で通過してね。
持っちょるひとはレッグカバーしたほうがええ。
冷えた山で、泥に濡れたら、ぶち凍みる。それがたまらんのじゃけどの。
でね、
こういうのも
ぬかりなくかたずけちょったで。
手前のガラガラはちゃーっと飛んでくれーさん。
ここも水が染み出てどねーにもならんのよ。
石があったほうがええ。なかったらぬかるんでこける。
ふぅ~、
一服。
ゆる~い谷側カーブを
ふぁふぁ~、かさかさ~ってしながら下りてきて、
お!って岩のライン上を飛んだりして
なお落ちていくわけ。
かさかさ~、ふぁふぁ~、お。
かさかさ~ふぁふぁふぁ~、おおっ、の繰り返し。
どーーんって
こけても、
こういう景色を見上げるだけじゃから安心しーさん。
でここまで整備してもまだ半分か。
時間が足りんでよ。
この道を教えるから誰か手を貸してくれんかね。