2019GW連休のバイク旅#5

2019年4月30日(火)

青森県深浦町八森山町民の森公園で夜を明かし、

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朝日が昇る頃、朝食の準備をしていました。

昨夜の買い出しの残りを食べましたが、

さすがに朝から鶏の唐揚げは重かった。

そういえばスーパーの総菜コーナーには

鶏からがたくさん置いてあったのを思い出しました。

青森県は鶏から好きな方が多いのかな。

 

GW連休のキャンプサイトのはずなんですが、

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こんな感じでほぼ貸し切りでした。

なんでこんな自撮りしたんでしょうね。

よく覚えませんが、このぼっち感を撮りたかったのかな。

この日は9時出発予定。

前日の到着が遅れて事務所で使用料を収めることができなかったので、

事務所の開店を待ち、支払いを済ませてからの出発でした。

事務所のおばさん、優しく温かい人柄の方でした。

濃いめの津軽弁に触れて、気持ちがほわほわっとしたのを覚えてます。

この日は午後から雨予報。

ここまでの旅は降られることがなかったのですが、

西から近づく雨雲に追いつかれそうな気配です。

 

ゆっくり出発して最初に訪れたのは、

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深浦町北金ヶ沢の有名な巨樹。垂乳根の大イチョウです。

日本一大きいイチョウで樹齢1000年以上だとか。

 

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垂乳根の由来は見ればわかります。

垂れ下がって見えるのは、気根と呼ばれる根の一部です。

 

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見えずらいのですが、気根の奥にお地蔵様が安置されていました。

ちなみにイチョウを保護するため、根元近くに立ち入ることはできません。

周囲を柵で囲ってあります。その広さぶんだけ根が広がっているのでしょう。

近くで見ると、見上げるほどの大きさに圧倒されます。

 

イチョウ見物を終えてバイクに戻ろうとすると、

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雪をかぶった岩木山を背景にして佇むアフリカツイン。

旅っぽい風景にじわっと感動しました。

岩木山方面には、重たく湿った色の雲が見えていて

雨が近いなと感じ始めました。

この日の目的地は下北半島の突端、大間の本州最北端の地。

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先を急ぎましょう。

花見の名所、弘前城の桜を見たいと思っていましたが、

出発が遅かったのもあって、やむなく津軽平野を突っ切ることにしました。

津軽自動車道E64に乗り、青森市まで一気に進みます。

五所川原から乗った津軽自動車道の両脇には、大きな田んぼが広がります。

田園地帯を抜けると、次は両脇にリンゴの木が植わった畑を眺めます。

天気のいい日に走ると、きれいに見えるのだろうな。

 

青森自動車道E4で青森市を通過したところで次の課題です。

下北半島方面の付け根、野辺地に向かうために

国道4号沿い陸奥湾方面を回るか、みちのく有料道路で山を抜けていくか、

Google先生によると後者を選べとの結果が出たので、それに従います。

青森からみちのく有料道に向かうと、どんどん気温が下がります。

そりゃそうです。山に向かってますからね。道脇には残雪がありました。

料金所が近づき、ETC使えるのかと思ったらどうやらダメみたい。

料金所はけっこう混んでる様子。

車線から一旦出て、現金払いの支度をしてから再び車線に戻ります。

 

みちのく有料道を走り出すと、とにかく寒い。。

道端には残雪と少し芽の出たフキノトウが見えました。

ここの気候はまだ春前なんだとわかりました。山口県だと3月初旬頃の気候です。

本州の端同士で季節の進み方は2か月も違うのね。

上りはガタガタブルブルでしたが、

峠を越えると湿気を帯びた温かい気温が帰ってきます。

それでも気温表示は12℃くらいでした。

 

みちのく有料道を下りて野辺地に着くと、

ここからは下北半島縦貫道を使います。

むつ市までは一本道なので迷うことはありませんでした。

むつ市に来たら、そう、恐山です。

道路標識の案内を見ても、恐山方面へ誘導するものがほとんどなので

それに従ってみました。

けっこうな山道を上って辿り着いた霊場恐山。

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気温のせいなのか、霊場だからなのか、定かではないですけど、

ここがまた寒い。

霊感ないのが幸いでしたね。

 

ここに来て初めて知りましたが

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恐山は火山なのですね。そこら中で硫黄ガスの匂いがします。

山頂にはでかい湖があり宇曽利山湖といいます。

ここは火山活動でできたカルデラ湖だそうです。

湖のほとりには恐山菩提寺があります。

恐山菩提寺の境内を歩いて回りましたが、下界とは空気感の違う場所。

あの世を題材にしたテーマパークとでもいうのか、

賽の河原はこんな場所なのかなと思わせるような景色が広がっていました。

あの世を見るような景色を楽しみたかったのですが、

ええころ寒かったのと、ぽつぽつ雨を感じるようになったので

下山を開始しました。ちょうど12時ころでした。

 

大間を目指して、むつはまなすラインを進むと

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さくらのトンネルがずーーーっと続きます。

何キロくらい続いたのかな。長かったのを覚えてます。

こんな景色が続くと、渋滞でも起きそうなものだけど

生活道路なんでしょうか皆さん徐行することなく、すいすい進みます。

弘前城をパスしてきたことを後悔してたけど、

そんな思いはどっか行っちゃいました。

人混みで眺める桜より、バイクで走り抜ける桜のトンネルがいいに決まってるじゃん。

桜のトンネルを抜けると、海岸沿いの狭い道を抜けていきます。

それにしても大間って遠いのね。

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大間についたのはいいけど、疲れてたんでしょうね。

石標がある場所まで辿り着くのに迷いました。

端っこ旅あるあるですが、

だいたいの場合、地の果てには何もないです。

周りにあったのは、おみやげ店と観光客相手の食堂くらいでした。

印象的だったのは、川畑商店というお店だったかな、

店先にほら貝やら何やら面白いものがたくさん置いてありました。

何が売り物なのかよくわからない雑多な感じ、カオス風味満載でよかったです。

天気いいとぐるっと海に囲まれて美しい場所なんだろうな。

大間崎にはテントサイトがあって、そこで一泊しようかなとも思いましたが、

雨が来そうだし、ここまで二晩キャンプしたので、

今日は宿で休みたくて、むつ市内に戻ることにしました。

 

市内に戻る道中、風間浦村の途中から雨に打たれました。

海岸沿いなので遠慮なくざーざー来ます。

申し分ないくらいびしょ濡れになって市内に戻りました。

雨のときに思うことはひとつ、とにかく屋根の下に行きたい。

すると、ちょうどよくガソリンスタンドを発見。

給油してから、屋根の下で雨をしのぎ、近くの宿を検索します。

17時過ぎてたので、もうビジホなんて贅沢は言いません。

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何でもいいからとにかく近くの宿を探します。

すると、GSから500mくらいの場所に民宿を発見しました。

連絡してみると、女将さんが「食事はつかないですけど素泊まりなら大丈夫です」と。

ぐっしょり濡れて心身ともに冷えてましたが、女将さんの声に救われました。

向かいのコンビニで買い物を済ませて、宿に直行です。

 

バイクから荷物を降ろして、ガッサガッサと歩いて玄関を入ると、

玄関は二重扉、そして室内はストーブが炊いてある。ああ涙出そう。

びしょ濡れのジャケットで入るのが申し訳なかったのですが、

女将さんが温かく出迎えてくださり、タオルと温かいお茶を用意してくださいました。

旅先で触れる優しさほどありがたいものはない。

宿帳を書きながら気さくな女将さんは、

「うちは地元のお客さんがほとんどでね。現場仕事の常連さんがよく使ってくれるの。バイクのお客さんもたまに来られるけど、うちみたいな宿には珍しいの。」と教えてくださいました。

どこから来たのか、何見て来たのか、ここまでの旅の話をお伝えすると、

「まあ、ずいぶん遠くから。山口の方と話すのは初めてだね。」と驚かれていました。

旅ってこういう出会いの連続です。

旅先でバイカーが集う場所に行くのも楽しいけど、

地元に入り込んでみるのもいいものです。

こじんまりした部屋に案内されると、

清潔でしわの無いベッドが目に入りました。

三日ぶりのベッドです。

ベッドで寝られることがこんなに嬉しいと感じるとは思いませんでした。

そのあとは、冷えた身体を温めに

大きな共同風呂に浸かりに行きました。

身体をさっさと洗って、あたたかい湯船にどぶんと飛び込みました。

ふ~~、極楽です。ぬくぬく最高。

湯船からなかなか出られない...。身体が芯まで冷えてたのがわかります。

あのまま濡れて走ってたら、間違いなく風邪ひくところでした。

見つけてよかった、地元の民宿。

 

風呂から上がると、コンビニで買っておいた焼き鳥とチューハイをぐびっとやります。

酔いたかったのでしょう。チューハイ2本をあっという間に飲み干しました。

風呂上がりにこんな勢いで飲むから、すぐにくらくらしちゃって、

そのままベッドに倒れました。

夜中に目が覚めることもなく、その日はぐっすり眠りました。

雨にやられたバイク旅4日目、そして平成最後の日は

こんな感じで終わりました。

 

 

#6につづく