山は冷えてこそ
あれもこれも億劫になって、
しばらく旅に出た。。
というような気分で過ごしていた。。
過日、
濡れた落葉を踏みながら上る山。
とても良い。
定期的に土の匂いを嗅いでないと、気が狂いそうになる。。
気になった個所に
切り出した丸太を埋めて、
ひたすら道を改修する。。
落葉の下の土をひっくりかえすと、
姿を見なかった羽虫が身を寄せ合って潜み、冬の寒さに耐えていた。
すまん。君らの寝床を壊してすまん。。
たまたま森で出会った作業員にも手伝ってもらい、
道の外郭を整えていく。
丸太に弾かれるようにして、駆け抜けると劇的な快感が生まれる。。
丸太の断面に触り、嗅ぎ、かじりつくと、とても落ち着くのはなぜだろうか。。
丸太も切るが、
肉も切る。
凍ったシシ肉をである。
ここの山で狩られたシシ。
道をきれいにしてもらったお礼だと、ありがたくいただく。
ノコで切る。
脂ですべって切れない。
それでも、押さえつけて切る。。
ざらっと布巾で表面を拭き、
スライスしたやつを焼く。
この日は食べないつもりだったが、
けっきょく焼いて食べろということになり、
半屋外のストーブに網をかけ、ケモノ臭い肉を焼いて喰らう。
わるくない。これは悪くない。。
うっかり酒をごちそうになりかけるが、、おっと。
山からの恵みをいただく。
水も、命も、人のやさしさもいただく。
下界に戻るのがバカバカしくなるほど居心地がいい。
もっともっと冷えろ。凍りつけ。
山は冷えてこそ。
山と戯れるのに、厳しければ厳しいほどいい。
凍てつく山で息を切らし、雪におぼれるようにして遊びたい。。
ああ、雪の大峡谷が恋しい。。
だらだらと熱く長いFela Kutiを聴きながら。