別々派の人

こんなことを言う人に出会いました。

「カレーライスは、カレーとライスを別々の器に盛ってほしい。」

ワタシなんかは、面倒なのがいやなので、

どうせ、いっしょに食べるんだから同じ器に盛ってもよくない?

と思う性分です。

あとの食器を片づけることまで考える人からは、

「倍ほど皿を汚すことになるんだから、別々には盛りたくない」

という意見も聞かれることでしょう。


カレーとライスを別々に盛ってほしい人(以下、別々派)に

別々に盛ってほしい理由を聞いてみると、

「うちでは昔から、そうだったんです。牛丼、親子丼みたいないわゆる″のせもの"はできれば避けたいです。炊き込みご飯とか、うな重みたいな、混ぜたり重ねたりする料理もあまり好みません。」

つまり、白ご飯は白ご飯のまま食べる。他のものと混ぜるのは避けたい。

別々派の方の生活には、こんな文化が浸透しているようでした。


なるほど、そういう文化をベースに生活してる人がいるのかと思うと、

いろんなことを質問してみたくなります。

出先で食事するときに困ったことはない?などと聞いてみると、

「友人と食事に出かけたとき、大皿盛りのきれいなサラダが出てきて、友人が『かけるね』と言いながら何気なくドレッシングをかけて混ぜ始めたとき、ぞっとしました。」

そ、そうか。。

サラダにドレッシングをかけるのも別々派の文化にとってはNGなのか。。

けっきょく、そのときはしかたなく食べたとのこと。。

なんだか興味が湧いてきました。どこまでがOKで、どこからがNGなのか。

その境界になる料理はなんなのか。。


ワタシは、もっと聞きたくなって、

しょーもないことをどんどん尋ねてみました。

すると、別々派の方は呆れた顔で、

「この話をすると、いつもみんなそういうことを聞きたがるんですけど、これってそんなに不思議ですか?」

と質問返しされてしまいました。。


そ、そうか。。別々派の人からすると、

いっしょ派の人はどうしてこんなことが不思議なのかと理解に苦しむわけだ。。




文化の違いを知ったとき、

いちいち驚きの発見をしてしまうのは

言うまでもなく自分の属する文化から相手を捉えているためです。


白ご飯は別々がいいかどうかなんて、それはもう、その人の文化次第なわけで、

それをいちいち面白がっていると、場合によっては失礼になる可能性もある。。



隣にいる人の文化を、自分と似たようなものだろうと推し量るのは失礼なことで、

むしろ違って当然と思いながら接するほうが敬意を払うことにつながる。。

知らないままに驚いたり、勝手な意味づけをするのは無礼なことかもしれない。

そんなことを改めて思った出会いでした。。