ゆらゆら
通勤途上に見かけた風景です。
小さな生き物が絶命している画像ですので、
ちょっと衝撃的かもしれません。
見たくないわという人もいるかもしれませんから、
画像は下のほうに置いておきます。
スクロールせずにこのあたりで閉じていただいたほうがいいかもしれません。
生きてるのかなと思ったら、
これ以上ないほどに絶命していました。
昔読んだ、志賀直哉の「城の崎にて」を思い出しました。
もっとも、あれに出てくるのはイモリちゃんであって、
こっちはヤモリちゃんです、たぶん。
両生類と爬虫類ですから、全然別物です。
近くに開いた窓があって、その内側に引き開き式の網戸がついてまして、
状況から考えると、外から入ってこようとしたこの子が窓サッシを跨ぐ瞬間に、
強い風か何かで、急に閉じた網戸に挟まれたのかも知れません。
おそらく唐突に、あっけなく絶命してしまったこの子は
そのとき何を見ていたのかなと思ってしまいました。
前を歩いていた人は何も見なかったように素通りして行きました。
先を急ぐことに意識が向いていて、何も感じなかったのかもしれません。
運転中に見る交通事故のような感じでしょうか。
これも小説の中に出てくる「一疋の蜂」の節を思い起こさせました。
何かを訴えてくるけれど、とても静かな光景です。
山へ踏み入れば、しばしば目にするような光景なのですが、
ここで見ると、とても不思議なものに見えます。
せめて写真に残しておいて、
この子のことを少しだけワタシの中に留めておこうと
ゆらゆら情の湧いた朝でした。