11月6日

昼間、胸騒ぎがした。

仕事から急いで帰って、

ねこさんの顔を見る。

いつもの場所から滑り落ち、

床にべたりと寝ている。

私が出かけてから、

朝、水を飲んだきり動けなくなり、

昼からは立てなくなったらしい。


私を見つけて顔を合わせると、

ねこさんは手足を動かしてこちらを向こうとする。

でも寝返りは打てない。

すぐに抱き起して、顔を見せてやる。

懸命にばたばたしてくれる。

何か言っているのだろう。ありがとう。

いい向きにしてやって、ゆっくり頭を撫でてやる。

時々首をあげようとする。でも、ちゃんと上がらない。

シートをたたんで枕にして頭の下に入れてやる。

なんか良いみたい。

こちらを見てくれている。

少し酒を飲みながら、撫でてやる。

ねこさんから離れない。

痩せた身体を尾っぽまで撫でてやると前足をんーと伸ばす。

よしよし、撫でるよ。

ちょっと安心したので、夕食を摂る。

ねこさんを視界に入れて、

お腹がちゃんと動いているかときどき凝視する。

ちゃんと動いてると思うと、

私はすぐに油断する。




急にまた足を動かし始める。

寝返り打ちたいのかな。


違う。

私を呼んでいる。

そばに寄る。撫でる。

動きが止まらない。


怖い。

顔を見る。

目が合う。

でも合わなくなっていく。




呼吸が弱くなる。

段々お腹も動かなくなる。

足がんーーと伸びる。でもさっきと違う。。




ねこさんをしっかり抱いているはずなのに、

私の腕から「ねこさん」がすり抜けていく。

なんで?



待ってほしい。。

でも、待ってくれない。



私の腕の中から「ねこさん」がいなくなる

抱きかかえても応えない。。








なぜ、こんなに悲しいのだろう。

寂しいのだろう。。






私が帰るのを待っていてくれた、ねこさん。

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心から、ありがとう。

ずっと愛しているよ。

何度も心の中でありがとうを唱えて頭を撫でる。

誰の助けも借りずに、ひとりで旅立ったねこさん。

立派だったぞ。

またね。



喉の奥がずっと重たい。

どこにも向けようのない気持ちが私の中にある。

こういうとき、時間は悲しむ人の味方になってくれる。