とにかく怒っている人に遭遇した話

朝っぱらから怒っている人に出会った。

とにかく怒りが収まらない様子の人だった。

ということで理由を尋ねてみた。

「○○は信用ならん。あいつは何も言わんとワシにこんなことをした。~なこともした。ワシは正しいのに、それをバカにして。それからあいつは□□を上手に使うて、ワシを騙して、ワシを裏切って。それから~」

う~ん、論点が移ろいすぎて何に怒っているのかが、すでにわからない。

困った。。怒りの理由を聞く側にいたつもりが、

一緒に怒りの原因を探す側に回されてる。。

まずい。時間は有限だ。

怒ってるこの人の話をずっと聞いているわけにもいかない。


でもこの人の怒りはすでに臨界状態だ。

ここで余計なことを言うと火に油を注いでバクハツするに違いない。

多少の理不尽は受け流して、この人なりの「着地点」を見つけてもらうしかないな。



怒っている人がよくいう言葉。

「ワシは怒ってない。怒っているのはあいつや、お前のほうだろ。」

またしても困った。

この人には怒っている自覚がない。。

怒っていることに気づいていない。

そして、声が大きい。

本人は普通の声でしゃべっているつもりらしいが、とにかく声が大きい。

場所などわきまえず、衆人環視の真っただ中で、盛大にまくしたてる。。

誰も見てないように感じているんだろうか。


ここでうっかり、

「人の目もあるし、周りに迷惑だから、もう少し小さい声で話しませんか?」なんて

言ってしまったものだから、

「お前、変な言い方しやがって。それじゃワシが悪いみたいで恥をかかされるじゃないか!」

ああ、失言でした。。

「すみません。」

と、このひとことも火に油。。

「謝まりゃ済むとでも思うんか!」


ああ、この人はもう、怒る理由なんてどうでもいいんだ。。

ひたすらに怒りたくて怒ってるんだ。。

原因なんて関係なくなってる。



こころの奥の悪魔に次々と差し出される魅惑的な怒りの炎は、

輝かしい火柱をたてて、いっそう激しく燃えあがる。。

目が、、目の奥が、メラメラ燃えてるしー。


ああ、ワタシに朝はこないのか。。。


しょうがない。

怒ってる原因はもうどうでもいい。

一緒に探してもわからないし、そもそも本人が探そうとしてないし。。

第一、怒ってるのはこの人の問題であって、

ワタシの問題ではないのだし。。

大したオトナになるまで、このくらいの対応力しか身につけられなかったのは

ワタシの責任じゃない。

だから、この人の「器の大きさ」の問題に触れるのはやめとこう。

たった5分かそこいらで、「器」は大きくならないし、

ましてや「自分」を見つめるなんて深い掘り下げ作業に付き合う義理もない。。

ああ、なんか思い出した。。

火に油、きっとそれこそ水かけ論。。

きっとさっきの二の舞だ。。



いま、ワタシにとって大事なのは

この怒りの現場をなんとか鎮火させることだ。

さあて、どうする。。







と、ここから書けば長いが、

書いても仕方ないやりとりだろうと思われるので

かいつまんでいってみると、



つまり、あなたがいま最も困っていることは何ですか?と問うてみると、

「○○がワシを無視して好きにやりよるのが気に入らん。」

無視された?好きにやりよる?気に入らん?。。じゃあ、どうすれば気に入るの?

「気に入らんものは気に入らん。はー、○○を許すつもりはない。」

じゃあ、あなたはずっと困ったまま?

「ワシはひとつも困ってない。困っちょるのは○○の方じゃろう。。ワシも悪いかも知れんが、あいつはどうなんか、あいつのほうが~云々かんぬん」


ああ、間違えた。「器」に触れちゃいけない。。


わかりました。気に入らんものはしょうがない。我慢はよくない。反省もよくない。

なによりこの話には未来がない。あなたにとっても、ワタシにとっても

何にも得になることがないですよ。だからやめましょう。(怖え~、言っちゃった)






・・・おや?

止まったかな?

「じゃ、じゃけどね~、○○が~、うーだら、はーだら~」

その話、あなたにとって得ですか?

「・・・。」

どうか、得にならないことで困らないでください。


(いいオトナが自分をよく見ろ!なんて、ここでは絶対言っちゃいけない・・。)





・・・・。

・・・・・・・・。

ああ、やっと朝がきたー。。

ということで、なんとかその場をあとにできたのでした。。


どこでも使えるってものじゃありませんが、

この場合では、淡々と言ってみた「得にならない」が効果あったみたいです。。

「損とか得とか関係なーい!」って、ぶち切れられたらどうしようもない。。

少し鎮火しかかってたところで使ったから切り抜けられたんでしょう。

理不尽の炎が燃え盛る場面で使っても効果ないでしょうね。。



ここに要した時間はおよそ20分。。

誰にとっても貴重な朝の時間を、

誰にとっても得にならないことのために使ってはいけません。。



そんでもさー、ワタシの20分を返せー!と、こころの中で叫び続けて歩きました。

よくがんばった、今朝のワタシ。






今日わかったこと。

1.怒っている人は怒ってることに気づいてない。

2.怒っている人は怒る理由なんかどうでもいい。

3.怒っている人は怒る以外なにもしない。

4.怒っている人はさびしさの中にいる。

5.怒っている人の「器」に触れてはいけない。

6.怒りの感情はだれの得にもならない。








やっぱさ、

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こんな写真みたいにほがらかに笑ってるのがいいよな。

いいぃーー!