排水口

11月10日(月)

なにかで失敗をしたとします。

それは、人にもわかるものあれば、自分にだけわかるものもあって、

うまく取り繕うことができれば、その場はそれで流せることもあります。

誰でも恥はかきたくないから、少なからずそんな防衛反応はおこるもの、

嘘でもつきとおせば、それを信じるようになるから、人の心理ってこわいです。。


けれども、ときには自分の失敗について

突き詰めて考えなきゃいけない必要もあります。

いやなことを突き詰めていく思考には、

ほとんどの場合、防衛が働きますからね

意識的にそれを外していくのはしんどい作業です。

場合によっては、こころのバランスを失いかねない危うい作業です。

それでもこれは、やっとく価値のある作業なんだと思うようになりました。



きっかけは深夜に見た某国営のテレビ番組でした。

米国MLBで活躍する上原投手の特集をやっていたんですが、

彼は

「失敗なんか振り返らへんよ。失敗しても前に進むのみだから。」

と言っていました。

文言だけみれば、なんとも素っ気ないもので、この人は反省なんかしないのか?

と受け取りそうになったんですが

おそらくそうではないはずです。


その日のピッチングについて、誰よりもよく知っているのは彼自身なのであって、

これまで数多経験した失敗や、体が覚えている感覚を総動員して

自分のピッチングを分析し、吟味しているはずです。


彼が「失敗なんか振り返らへん」と言ったのは、

振り返りのプロセスを意識的に行わなくても、

次に必要なことが自ずと見えてくるとでもいうのか、

体で感じていることを、そのまま勘でつかみとるような、

とても逆説的な言い方をしているけれども、

彼は大いに自分の失敗を振り返って、次に活かすことを考えている。

それもほとんど無意識的に。。

もうこうなると第六感の世界でしょうね。


自分にとっては苦しいはずの「失敗を吟味するプロセス」が自動的におこる。

それを世界レベルでやってのけられる。

上原投手が一流の世界で渡っていける理由はそんなところにあるのだろうと思いました。



なにか豊かなものを得ようと思ったら、苦しみに向きあって、

それをおもしろく語ることのできるような教養が必要みたいです。

苦しいことを突き詰める思考か。。。



でも、

そんなものにとりかかる勇気なんてすぐには出ませんから、

まずは、

イメージ 1

排水口のヌメヌメあたりから触れるようになろうと思います。。。

しっかりきれいにいたしましょう。

いやなことって、逃げて逃げ切れるものではありませんからね。